
【失敗しない工務店の選び方】工務店選びの6つの見極めポイント
「夢のマイホーム」は人生で最も大きな買い物です。失敗しないためにも、もし明確なイメージやこだわりがあるなら、設計の自由度が高い工務店がおすすめです。ただし、選択肢が多くて工務店選びで迷ってしまうかもしれません。
家づくりを成功させるためには、信頼できる工務店を選ぶことが重要です。この記事では、失敗を避けて満足度の高いマイホームを実現するために、工務店選びで重視すべき6つのポイントを解説します。ぜひ本記事を読んで工務店選びの参考になさってください。
注文住宅の品質を決定づけるのは工務店
ハウスメーカーや不動産会社に注文住宅を依頼しても、実際の施工は工務店が請け負っていることが多いです。ですので、注文住宅の品質を決定づけるのは工務店といえます。工務店と直接契約するメリットは、コストを抑えて住宅そのものに予算を回せることです。広告は必要経費ですが、ハウスメーカーのような高額な宣伝費用は発生しません。
そのため、同じ予算でも工務店の方がグレードの高い家を建てられます。しかし、予算が合うだけでは、品質の高い住宅を建てることはできません。次の項目で、信頼できる工務店を選ぶための6つのポイントを考えましょう。
失敗しない工務店の選び方|信頼できる工務店を選ぶための6つのポイント
多くの工務店は地域密着型で施工エリアが限られているため、まず土地を探している地域に対応しているかどうかを確認しておく必要があります。建設予定地に工務店が近ければ、アフターサポートも「より迅速に対応してもらえる」という安心感が得られるでしょう。
では、信頼できる工務店を選ぶために、下記の6つのポイントをチェックしておきましょう。
信頼できる工務店を選ぶための6つのポイント
1.高い施工技術があるか
2.住宅性能が高い家づくりができるか
3.自由度の高い設計ができるか
4.自社で設計・施工しているか
5.充実したアフターサポートや長期保証があるか
6.経営は安定しているか
1.高い施工技術があるか

工務店選びで失敗を避けるための絶対条件は、施工技術の確認です。
施工技術は職人の技術力に大きく依存していて、工務店によって大きな差があるからです。熟練した職人がいれば工務店全体の技術力も向上しやすい環境になり、高い施工技術がある工務店を選ぶことが、住宅の品質に大きな影響を与えます。
施工実績を確認する
工務店の施工技術のレベルは施工実績を見れば、ある程度把握できます。工務店のウェブサイトの施工事例集やモデルハウスを参考にして、これまで手掛けてきた住宅のクオリティを確認しましょう。ただし、見た目だけではわかりにくい部分もありますので、次の項目で説明する住宅性能に着目してください。
2.住宅性能が高い家づくりができるか
住宅性能には、断熱性能や気密性能、耐震性能、防音性能などが含まれ、施工技術が結果として現れる部分です。これらの性能が高い住宅は、快適な居住空間を提供するだけでなく、省エネルギーにもつながります。
気密性能に注目!
省エネ住宅に関心がある方は、「施工技術が高く、住宅性能が高い家づくりができる工務店を選びたい」と思われるでしょう。そうであれば、気密性を重視した家づくりができる工務店を選定基準にするのがおすすめです。
なぜなら、高い気密性を実現するには非常に緻密な施工と高度な技術が必要であり、気密性能に優れた住宅を手掛けられる工務店は限られているからです。そして、気密性能は数値で測れるため、工務店を選ぶ際の明確でわかりやすい尺度になります。低燃費住宅については下記のコンテンツで説明しています。
関連記事:低燃費住宅を実現するための3つの重要な住宅性能とは?
例えば、埼玉件に拠点を置く、さいが設計工務がつくる高気密住宅の基準は、C値0.3㎠/㎡以下であり、一般的に気密性が高いRC造のマンションよりも優れた数値です。
住宅の種類 | C値 |
---|---|
一般的な木造住宅 | 10㎠/㎡ |
一般的なRC造マンション | 0.5㎠/㎡~1.0㎠/㎡ |
さいが設計工務がつくる高気密住宅 | 0.3㎠/㎡以下 |
気密性能が高い住宅は断熱性能を高めるだけでなく、外気やホコリ、花粉の侵入を防げます。
「C値」とは
「C値」とは、家の気密性能を数値で示したものです。C値の単位は「c㎡/㎡」と表記され、家の面積に対してどの程度の隙間があるかを表しています。
一般的な木造住宅におけるC値:10㎠/㎡の場合は、100㎡の家全体で300mm角の換気扇サイズの隙間がある計算になります。さいが設計工務がつくる高気密住宅の基準はC値0.3㎠/㎡以下ですから、100㎡の家全体では消しゴム3個程度のごくわずかな隙間です。
C値についてさらに詳しくお知りになりたい場合は、下記の記事を参考になさってください。
関連記事:C値(相当隙間面積)の数値を知ろう!
設備や建材の質を確認する
住宅性能は設備や建材の質にも影響されます。そのため、工務店がどのような設備や建材を使用しているかを確認するのも重要です。工務店の標準仕様の設備や材料については、大抵の場合に公式ホームページで確認できるのでチェックしておきましょう。
3.自由度の高い設計ができるか

自分たちのライフスタイルや好みに合わせた自由度の高い設計ができる住まいは、住宅の満足度や快適性を高めます。家族の理想の住まいを実現するためには、検討している工務店でどのような設計が可能かを確認する必要があります。
まず、好みに合う工務店のウェブサイトで、実際に建てられた住宅やモデルハウスなどを見て、その工務店が得意としている設計・デザインを確認し、イメージを固めていきましょう。
工務店との打ち合わせでは、自分たちの希望やイメージをしっかりと伝えることが大切です。工務店の設計担当者とコミュニケーションを取りながら、細かいニュアンスやこだわりを伝え、理想の住まいを共有しましょう。
工務店に注文住宅を依頼する場合、一般的なハウスメーカーよりも設計の自由度が高くてこだわりを反映できる反面、ヒアリング能力やプランの提案力が問われます。もし建築基準や構造上の安全性を満たすために、すべての要望を叶えられない場合は、代替案を提示する臨機応変な提案力が求められます。依頼者の要望をしっかりと聞き取り、適切なプランを提示できるかどうかを見極めましょう。
4.自社で設計・施工しているか

自社で設計・施工しているかどうかは、工務店選びで失敗しないための重要なポイントの一つです。営業マン主体の会社は施工に関する知識が乏しく、職人の判断と異なる場合が多々あります。
職人よりも営業マンの方が多い工務店は要注意です。営業マンは契約を取るために多少無理なことを言ってしまう場合があり、委託している場合ほどその傾向が強くなるからです。そして、多額の人件費が必要になるのは言うまでもありません。
続いて、下記の3つの観点で問題点を考えてみましょう。
・コミュニケーションの問題
・施工品質の問題
・責任の所在に関する問題
コミュニケーションの問題
設計・施工を外部に委託している場合、コミュニケーションの不備が起きやすくなります。細かな打ち合わせの中で変更点は数多く出てきますので、外部の設計・施工会社に正確な情報が伝わらず、行き違いが生じやすくなってしまうのです。
一方で、自社で設計・施工している工務店は、顧客の要望を直接反映した設計・施工を行えるため、コミュニケーション上の問題は起きにくくなります。顧客のニーズに応じた細かな設計変更や施工にも、柔軟に対応できます。
施工品質の問題
外部委託している工務店は、委託先によって設計や施工の品質にバラつきが出てしまいます。それに対して、自社で設計から施工まで一元管理できている工務店は、施工事例を見て期待した通りの品質に仕上がるでしょう。
責任の所在に関する問題
外部に委託していて設計や施工の不具合が発生すると責任の所在が曖昧になり、委託元・委託先双方が責任逃れをしてトラブルの解決が難しくなるケースがあります。その点、自社で施工している工務店として、安心して依頼できるでしょう。
5.充実したアフターサポートや長期保証があるか

住宅は長期間の間にメンテナンスが必要になるため、工務店を選ぶ際にはアフターサポートがしっかりしているかどうかも重要なポイントです。家を建てた後も長期的な保証やアフターメンテナンスに対応してくれる工務店を選ぶなら、安心して生活できるでしょう。
20年間の充実した建物保証制度
日本リビング保証株式会社や法律に基づく厳格な審査を通過したさいが設計工務の住宅は、一般的な10年間の保証制度よりも長い、20年間の建物保証制度を提供できます。充実した保証制度について詳しくお知りになりたい場合は、下記のサービスページをご確認ください。
充実した「長期保証制度のご案内」
まとめ:失敗しない家づくりために
失敗を避けて、信頼できる工務店を選ぶための6つのポイントを解説してきました。とりわけ、高い施工技術や住宅性能、自社で設計・施工をしているかどうかは重要です。アフターサポートや20年間の長期保証は、工務店に家づくりを依頼するうえで大きな安心材料になるでしょう。
これから住宅を建てる方は、是非本記事で紹介した6つのポイントを参考に、工務店を選んでみてくださいね。
筆者プロフィール
【Artistic Writer:勝箆孝道】大工一家(父・兄・姉:棟梁)で育ち、自身も通信制高校に通いながら建設会社に就職して修業を積む。2019年からは施工だけでなく営業やホームページの更新を担当。2021年に専業ライターに転身し、ZEHの家など、建設業界の記事を中心に幅広く執筆。